
日本で、一番古い家が神戸市にあると知って、一度 どんな感じの家なのかな…と見てみたくなり、去年の夏に、一度訪れた家が、「箱木千年家」(神戸市北区山田町衝原)という家でした。
その時は、夏という事もあって、外は暑かったけど、古い家の中は 不思議なくらいに、すずしく かい適でした。
今回、冬はどんな感じなんだろう…と思って、また行ってみたくなり、久しぶりに行ってきました。
「箱木千年家」は、1967年6月15日に、国の重要文化財に指定され、「箱木千年家」の通称で広く知られる、日本最古と推定される民家の一つで、「箱木家住宅」とも言われています。
ただし、「千年家」とは、千年前に建てられた家という意味ではなく、非常に古い家という意味です。

1977年までは、実際に住居として使用されてたけど、呑吐ダムが建設され、水没する事になった為に、この家も 約70m離れた所に移されました。
実際の建立は14世紀室町期と考えられてて、江戸時代中期に「母屋」のとなりに「はなれ」が建築され、江戸時代末期には「母屋」と「はなれ」を連結して、屋根を広げて 一つの家にしています。
「母屋」は、かやぶきの屋根がとても大きく、その厚さは約40cmくらいあるもので、のきがとても低いから 遠くから見ると、縄文〜弥生時代のたて穴住居みたいな家の形をしています。のき先はとても低く、ぼくが手を伸ばしたら すぐに届いてしまう高さです。

大きな大人の人達だったら頭がつかえてしまうので、かがんで中に入ってたのかなぁ…と、思いました。
南の縁側は、かやぶき屋根のおかげで、気持ちよくて そのまま寝てしまいそうだったです。
大きな屋根を支えるために、かべが多くて窓の数がとても少ないので、家の中は昼間でもあかりが必要なくらいに暗いです。
また、カンナが発明されてなかったのか、板の全ては「手斧(ちょうな)」で仕上げられてあって、床全体の見た目は ボコボコしてても、実際にふんでみると、足ざわりがとても気持ち良かったです。

今は納戸というと、物置のイメージがあるけど、昔の人にとっては寝る場所として 大切な生活の一部だったようです。
納戸の入り口は低くて、大体1m40cmくらいだけど、中に入ったら 天井がとても高くて不思議な感じでした。
天井は吹き抜けで、東側半分は土間、南東の一部は「うまや」になってて、昔は人も馬も一緒に仲良く生活してたんだなぁ…と思いました。
台所は、石の洗い場で 洗い流した水は外にためられるようなつくりになってて、畑にまいたりして使われており、エコな時代だったんだなぁ…と感心しました。
「母屋」の横には「はなれ」があるけど、呑吐ダムからの風がとても強く冷たかったです。
夏に行った時には、結構すずしくて気持ち良かったけど、冬はやっぱり寒くて、西側の「はなれ」は、ため水がうすく凍ってるほどでした。

ここの「千年家」を管理されてる、箱木眞人(はこぎまなと)さんに、いくつかきいてみましたが、昔の冬は−10℃くらいまで気温が下がってたようだけど、今は温暖化もあってか、そこまでの寒さではないと言うことでした。
ぼくは、二度 ここに来たけど、「やっぱり ぼく達は、ぜいたくな暮らしをしてるんだなぁ…」ということが分かりました。
昔の人の生活は、動物と人間が支えあって、共同生活してたり、みんなで 一つの生活を築いてたんだなぁ…」と、思いました。
そして昔の人は、今みたいに便利な道具がなかったのに、あれだけの立派な建物を建てて、生活も色々と工夫されてて、本当にすごいなぁ…と感心しました。
そして ぼくも見習って、もっとエコに取り組み、節約する所は節約しないといけないなぁ…と、改めて思いました。